宅建の登録実務講習とは?


宅建の登録実務講習とはどんな講習か、ご存知でしょうか?

宅建士として働くために宅建試験の合格を目指し、勉強中の方は多いと思います。

しかし、試験に合格しただけでは宅建士としての業務は行えないことを理解しておきましょう。
試験に合格した後、都道府県で資格登録をし、取引士証の交付を受けることで、ようやく宅建士としての業務が可能となります。

ただし、2年以上の実務経験のない人は、国土交通大臣の登録を受けた機関の登録実務講習を受講しなければ、資格登録ができないことになっています。

そのため、実務経験のない人が宅建士として働くためには、試験対策だけでなく、登録実務講習の内容や受講するための手続きについても、前もって把握しておく必要があります。

本記事で詳しく解説しますので、しっかりと理解しておきましょう。

登録実務講習とは何か

宅建士の登録実務講習とはどんな講習か、聞かれても正確に答えられる人は少ないのではないでしょうか。

しかし、実務経験がない人が宅建士として働くためには、登録実務講習は必ず受けなければならないので、内容について理解しておく必要があります。

登録実務講習の意味合いについて、以下に解説しますので、しっかりと理解しておきましょう。

宅建士として働くために必要

冒頭でもご説明した通り、登録実務講習とは国土交通大臣の登録を受けた機関が行う実務講習のことです。

この講習を受講して修了証を取得すれば、実務能力があることの証明になります。

宅建士の資格登録をするためには、試験の合格証と実務経験が必要になりますので、実務経験のない人が資格登録の権利を得るためには、この講習を受講しなければなりません。

なお、宅建士に関係する講習には、このほかに法定講習と登録講習があります。

法定講習とは、都道府県知事の指定を受けた機関が実施する講習のことで、取引士証の交付を受ける場合に受講が必要ですが、宅建試験の合格から1年を超えていなければ免除されます。

登録講習とは、宅建業に従事している方を対象とした講習で、修了証を得ると3年以内に実施される宅建試験の5問免除が受けられます。

実務、法定、登録と名前が似ている講習が3つあり混同しやすいので、それぞれの違いをよく理解しておきましょう。

実務経験の有無

前述したように実務経験が2年以上ある人は、実務講習を受けなくても、合格証があれば取引証の交付を受けられます。

一方、実務経験が2年に満たない人は、この講習を受け修了することにより、「2年以上の実務経験を有する者と同等以上の能力を有する者」と認められ、取引士の交付が受けられるようになります。

ただし、宅建試験合格から1年以上が経過すると、法定講習が必要になるので注意が必要です。

合格してから1年以内の人であれば、最新の法改正などを理解していると見なされ、免除されることになっています。

そのため、宅建士の取得を目指している人は、合格後は速やかに手続きすることをおすすめします。

登録実務講習の概要

次に登録実務講習の手続き方法や講習の内容などについて解説します。

宅建試験の学習をしていると、どうしても試験対策ばかりに考えてしまいがちですが、宅建士として働くことを目標にしている人は、合格してから取引士証を受領するまでの手続きも、イメージしておくことをおすすめします。

講習の手続き方法

受講をする機関により異なりますが、登録実務講習の申し込みに難しい手続きは必要ありません。

多くの機関で必要となるものを以下にまとめます。

  • 試験合格証のコピー
  • 講習受講申込書
  • 顔写真1枚
  • 受講料払込済証のコピー

Web上で手続き可能な機関も多いので、詳しくは受講する機関のホームページなどで確認しましょう。

講習の内容

登録実務講習は3段階に分かれており、通信講座、講習(スクーリング)、修了試験をそれぞれこなしていくことになります。

通信講座は約1ヶ月間で行われ、主にテキストを中心とした学習になります。

スクーリングは1~2日間であることが多いですが、機関により異なります。

2日目の講義終了後に修了試験(正誤式、記述式の2種類)が行われますが、この試験に落ちてしまうと、修了証は得られません。

合格の条件としては、講習にすべて出席することと、正誤式と記述式のそれぞれの修了試験で80パーセント以上の正解を得ることです。

基本的に講習の内容をしっかりと聞いていれば解ける内容になっているので、合格率は非常に高いです。

しかし、もし落ちてしまうと修了証は得られず、再度講習を受ける必要があるため、決して油断してはいけません。

なお、実務講習の修了証は、講習終了後、約2週間程度で送付されます。

講習の費用

実務講習に必要な費用は機関によって差があります。

約20,000円前後の費用を設定しているところが多いですが、安いところだと10,000円以下の価格で受講可能な機関もあります。

中には、インターネット割引が適用できたり、期間限定で割引していたりする機関もあるので、詳しくは各機関のホームページなどを見て確認すると良いでしょう。

しかし、大幅な価格差があるわけではないので、金額の安さだけで決めるのではなく、講習会場への通いやすさ、講習日程を優先して選ぶことをおすすめします。

講習の難易度

前述したように、登録実務講習では講習の最終日に修了試験が行われます。

修了試験の難易度は低く、どこの機関でも合格率は90%以上であり、非常に高い数値になっています。

10%程度の不合格者は、何かしらの事情で試験を受けられなかった人や、宅建試験合格から時間がかなり空いてしまったために、内容を忘れてしまったという人がほとんどです。

そのため、宅建試験に合格できるだけの知識をもった人が、真面目に講習を受けていれば、ほぼ間違いなく合格できる試験と考えて良いでしょう。

とはいえ、合格できる知識のある人でも、マークミスや本番独得の緊張感などによって、点数を大きく落とす可能性もあるので、決して油断しないようにしてください。

登録実務講習の注意点とは?

登録実務講習を実際に受ける時の注意点を解説します。

当然のことではありますが、遅刻や欠席は厳禁です。

あまり訪れたことのない会場だと、予想以上に時間がかかり、遅刻してしまう可能性があるので、できるだけ早めに到着するつもりで出発しましょう。

また、欠席してしまった場合は未修了となるため、再度受講する必要があり、費用も原則として返金されません。

急用や体調不良で、どうしても遅刻や欠席をしなければならない人も出てくるかと思いますが、極力出席できるように調整することをおすすめします。

登録実務講習を修了した後の流れ

最後に登録実務講習を修了してから、取引士証を取得し、実際に宅建士として働けるようになるまでの流れを解説します。

資格登録をする

宅建の登録申請は郵送と持参の2パターンがあります。

宅建試験を受けた都道府県で行う必要があるため、どこの機関へ申請すれば良いのか、場所はどこにあるのかなど、詳細な内容は都道府県のWebサイトから確認するようにしてください。

登録申請の必要書類は、以下の通りです。

  • 登録申請書
  • 誓約書
  • 身分証明書
  • 登記されていないことの証明書
  • 住民票
  • 合格証書のコピー
  • 顔写真
  • 登録資格を有する書面(実務経験証明書など)
  • 印鑑(窓口申請の場合)
  • 返信用封筒(郵送の場合)

以上、非常に多くの書類が必要であることがわかるでしょう。

特に「身分証明書」や「登記されていないことの証明書」は、あまり聞いたことのない人が多いのではないでしょうか。

さらに身分証明書は本籍地の市町村で発行、登記されていないことの証明書は法務局で発行、というように発行できる機関が異なるため注意が必要です。

また、申請には登録手数料が必要であり、現在のところ37,000円です。

持参の場合は直接窓口で支払い、郵送の場合は関係機関から支払い方を指示されることになっています。

登録実務講習の費用、後述する取引士証の申請費用と合わせると、かなり大きな出費になるため、宅建士として働く予定のない人は、合格証だけ取得して実際に取引士証の発行まで行わない人も多いです。

宅建試験の合格は一生の権利になりますので、必要な時期になったら登録するというのも、一つに手段でしょう。

取引士証を受領する

宅建の資格登録が終わると、取引士証を受領することが可能になります。

※なお、前述したように法定講習は宅建試験合格後1年以内の人は免除、登録実務講習は実務経験が2年以上ある人は免除されます。

取引士証を受領する際は、以下の書類が必要になります。

  • 取引士証交付申請書
  • 顔写真
  • 登録通知
  • 印鑑(窓口申請の場合)
  • 返信用封筒(郵送の場合)

これらの書類に加え、交付申請費用が4,500円必要です。

直接、窓口で支払う場合は現金払い、郵送の場合は関係機関から支払い方を指示されることになっています。

ここまで行うことによって、ようやく宅建士としての業務を行うことが可能となります。

試験合格以外にも、さまざまな手続きや多くの費用が必要になることが、理解できたのではないでしょうか。

もちろん、試験合格を目指して勉強することが一番大切ではありますが、宅建士として働きたいと思っている人は、合格後の手続きもしっかり頭に入れておくことが大切です。

まとめ

以上、登録実務講習について解説してきました。

宅建士に関する知識がない人は、試験に合格すれば宅建士としての業務ができるものと勘違いしてしまいがちです。

しかし、ここまで説明してきたように、宅建士として働くためには、試験合格のみでは不十分です。

特に登録実務講習は、実務経験のない人は必須となる講習なので、不動産業界での経験がない人の多くが受講することになるでしょう。

基本的に落とす講習ではなく、合格率は非常に高いとはいえ、気を抜かずに学習することが大切です。

ぜひ本記事の内容を参考にして、登録実務講習に合格して、宅建士の取得を目指してください。