宅建の試験科目「法令上の制限」と「税・その他」とは

法令上の制限は宅建試験において、3番目に出題され、税・その他は4番目に出題される科目です。

どちらの科目も、単に覚えているかどうかを問うタイプの問題が多いので、難易度はさほど高くありません。

しかし、専門用語がたくさん出てくるうえ、暗記すべき項目も多い科目なので、慣れるまでに時間はかかるでしょう。

勉強する際に最初に意識することとしては、専門用語を理解することから始めると良いでしょう。

また、得点しやすい分野としにくい分野が比較的はっきりしていますので、そのあたりも意識しながら勉強することをおすすめします。

本記事で法令上の制限、税・その他の概要や出題傾向、勉強のポイントについて解説しますので、ぜひ参考にしてください。

法令上の制限とは

法令上の制限とは、土地や建物のさまざまな制限に関する理解度を問う科目です。

都市計画法や建築基準法、国土利用計画法、農地法、土地区画整理法など街づくりに関する法律の知識が問われます。

都市計画法と建築基準法の出題数が多いため、この2つの分野を中心に勉強することがおすすめです。

都市計画法は、街づくりの計画に関するルールを定めた法律のことで、開発行為の許可が出る条件などに関する問題が多く出題されています。

建築基準法は、建物を建築する際の基準となるルールを定めた法律のことで、宅建試験においては道路規制や用途規制などがよく出題されています。

その他、3つの法律の概要は、以下の通りです。

  • 国土利用計画法:土地を利用する際のルールを定めた法律
  • 農地法:農地を農地以外の用途に変更する際のルールを定め、農地と農業を守るために作られた法律
  • 土地区画整理法:適切に土地の区画の整理がなされるようルールを定めた法律

試験の出題数や近年の出題傾向など

法令上の制限の出題数や近年の出題傾向などについて、具体的に解説していきます。

専門用語が多く、最初は取っつきにくい印象のある科目ですが、慣れてしまえば問題を解くのはさほど難しくありません。

特に、国土利用計画法や農地法は得点源になりやすい分野なので、確実に一点とれるようにしていきましょう。

出題数と目指すべき得点

法令上の制限の出題数は8問です。

このうち、都市計画法に関する問題が2問、建築基準法に関する問題が2問程度あり、残り4問が国土利用計画法、農地法、土地区画整理法に関する問題なので、比較的各分野の問題が均等に出題されています。

合格を目指す場合、8問中6問程度の得点を目標としたいところです。

宅建業法と同じく、暗記しているだけで答えが出せるタイプの問題が多くなっていますが、難しい専門用語が多いところが、この科目のやっかいな点です。

近年の出題傾向と対策

前述した通り、都市計画法と建築基準法からそれぞれ2問、その他の分野から4問が毎年出題されています。

問題の形式として、数値を当てるタイプの問題と、原則・例外などの知識を問う問題が多くなっています。

数値の問題に関しては、以上・以下、超・未満といった言い回しがよく使われますので、意味を混同しないように注意してください。

また、勉強の手順としては、初めに都市計画法をマスターすることおすすめします。

なぜなら都市計画法の知識がなければ、建築基準法や国土利用計画法などの問題に対応できないケースがあり、専門用語になれる効果もありますので、じっくり時間をかけて勉強するようにしましょう。

問題の難易度として、建築基準法はやや難解な問題が多く、時には捨て問と考えなければならない場合もある点を覚えておく必要があります。

一方、国土利用計画法、農地法は比較的易しい問題が出題される傾向にありますので、この分野で点数を落とさないにしましょう。

全体としては、引っ掛け問題や応用力な必要な問題は少なく、比較的素直な問題が多いので、慣れてしまえば点数は取りやすい科目といえます。

勉強するにあたってのポイント

次に法令上の制限を勉強するにあたってのポイントを解説します。

専門用語が多く、最初のうちは頭に入りにくい科目なので、テキストや問題集を繰り返し読み返し、慣れていくことが重要です。

また、単純に覚えているかどうかを聞くタイプの問題が多いので、暗記すべき点はしっかりと暗記していきましょう。

専門用語を理解する

法令上の制限においては、たくさんの専門用語が出てきますので、まず用語に慣れることから始めてください。

特に最初の分野である都市計画法が重要です。

都市計画法では、区域区分、用途地域など土地ごとにルールを定めていますが、これを把握しておかないと、その他の分野も理解が難しいでしょう。

また、宅建業法でも頻出しますが、届出・登録・許可(免許)の違いをしっかり頭に入れるようにしてください。

届出は役所へ書類を提出するだけで審査が通りますが、登録は役所が帳簿の記載しなければ審査が通ったことになりません。

許可(免許)の場合は、役所認めた段階で初めて審査が通ったと見なされます。

届出、登録、許可(免許)の順番で審査が厳しくなるものと理解しておくと良いでしょう。

暗記すべき点は暗記する

宅建業法と同じく、法令上の制限も暗記問題が多いという特徴があります。

専門用語など頭に入りにくく、なかなか覚えられない事項も多いのですが、基本的に知ってさえいれば解答できてしまう問題がほとんどです。

一方で覚えていなければ、どんなに考えたところで答えは導き出せませんので、暗記するものは暗記すると割り切っていきましょう。

また、法令上の制限の場合、数値を覚えなければならないケースが多々あります。

たとえば「市街化区域内で行う開発行為で開発許可が不要になるのは1000平方メートル未満である」などです。

こういった事項については、テキストをじっくり読んで理解力を深めるよりも、問題集や過去問をたくさん解くアウトプット中心の勉強法がおすすめです。

税・その他とは

続いて税・その他の解説をします。

税・その他とは、不動産に関わる税法や、地価公示法、不動産鑑定評価基準などの理解度を問う科目です。

税法といっても税理士試験で出題されるような深い税金の知識が問われることはなく、入門的な問題がほとんどです。

その他の分野では、地価公示法、不動産鑑定評価基準などが出題されますが、年度によって難易度が極端に変わるので注意が必要です。

試験の出題数や近年の出題傾向など

税・その他の出題数や近年の出題傾向などについて、具体的に解説していきます。

合計で8問しか出題されず、範囲が広く対策しづらい特徴があるので、この科目の勉強にもっとも多くの時間を割くのはあまり効率的ではありません。

しかし、宅建試験は1点2点が合否を分けるケースも多いうえ、サービス問題が出題されることもありますので、捨てて良い科目などとは考えず、覚えるべきポイントはしっかり勉強しておきましょう。

出題数と目指すべき得点

税・その他の出題数は8問です。

このうち、税法に関する問題が2問、その他の問題が6問程度ありますが、その他の問題のうち5問は免除問題です。

そのため、5問免除の条件を満たしている人は、3問のみ解くことになります。

合格を目指す場合、8問中5問程度の得点を目標としたいところです。

その他の分野に関しては、地価公示法、不動産鑑定評価基準のほか、不当景表法、統計、土建物や土地の構造に関する問題があり、範囲が広く対策が取りづらい特徴があります。

したがって、この科目については6割程度の正答率でも問題ないと考えておきましょう。

ただし、不当景表法、統計、土地・建物に関する問題は、知識がなくても常識的に考えれば解けてしまう問題も多いです。

仮に聞いたことがないような問題でも、じっくり考えれば答えが導き出せる場合もあるので、決して諦めないようにしてください。

近年の出題傾向と対策

税法に関する問題が2問確実に出題されますが、これは5問免除の権利がある人も必ず解くことになるので、この分野を中心に勉強すると良いでしょう。

出題傾向として、不動産取得法や登録免除税を問う問題が多い傾向にあります。

この場合の税金は何%になるか?床面積何㎡以上が対象か?といったように、税率や特例を受ける条件を問う形式の問題が多いので、数字を確実に覚えるようにしてください。

その他の分野に関しては、不当景表法、建物や土地の構造、不動産の統計など、不動産取引に関する知識を問う問題が出題されます。

統計問題に関しては、毎年必ず出題されますが、数字さえ知って入れば解答できるため、サービス問題といっても良い内容です。

試験前日に勉強しても覚えられる内容ですので、ここで確実に一点を取るように対策しましょう。

勉強するにあたってのポイント

次に税・その他を勉強するにあたってのポイントを解説します。

税制の分野は範囲が広く、すべての内容を覚えようとすると、非常に時間がかかってしまいます。

宅建士試験で問われるのはあくまで基本的な内容なので、広く浅く勉強することが重要です。

また、単純に覚えているかどうかを聞くタイプの問題が多いので、暗記すべき点はしっかりと暗記していきましょう。

専門用語を理解する

法令上の制限と同じく、税・その他においても専門用語が頻出します。

たとえば課税主体、課税標準、課税客体といった用語がありますが、それぞれの言葉が何を指しているのか、わからない人が多いでしょう。

そのため、初めのうちは問題を読んでも何を聞いているのかが理解できない可能性がありますので、まずはこうした用語を正しく理解することから始めてください。

用語を理解したうえで勉強を進めていけば、文章を読むたびに意味を調べる手間も省けますので、初めは時間がかかるかもれませんが、面倒がらずに行うことをおすすめします。

数値を正確に覚える

税制の問題では、税率や税金の額を問うタイプの問題が多いため、できるだけ正確に覚える必要があります。

しかし、数値に関しては何か印象に残るような工夫をしなければ、機械的に覚えようと思っても、すぐに忘れてしまうでしょう。

繰り返し何度も問題を解き、記憶に定着させる努力をするのと同時に、このワードが出たらはこの数値、というように言葉と数値を関連付けて覚える方法も良いでしょう。

単語帳を作ったり、まとめノートに要点をまとめたり、自分なりに覚えやすいように整理する方法もおすすめです。

過去問の分析が大切

法令上の制限、税・その他ともに効果的な勉強法は、やはり過去問による勉強です。

過去問を繰り返し解いていけば、どんな問題が出されるのか、ある程度予測できるようになります。

また、各分野の難易度や重要度を知るのにも役立ちますので、5~10年分、行っておくことをおすすめします。

もちろん、テキストを読んで勉強するのも大切ですが、暗記しているかどうかを問う問題が多いため、アウトプット中心の勉強がもっとも効果が高いでしょう。

ただし、過去問を利用する際に気をつける点として、古い問題集を使わないようにしてください。

他の科目も同じですが、宅建試験の場合、法改正によって解答が変わってしまうケースが多々あります。

古い過去問題集を利用すると、出版された当初は正しくても、法改正によって解答が変わってしまっている問題もたくさんあります。

誤った理解をしないためにも、過去問題集は必ず最新のものを利用するようにしましょう。特に税法は頻繁に法改正がありますので、他の科目以上に注意する必要があります。

まとめ

以上、法令上の制限、税・その他の概要や出題傾向、勉強のポイントについて解説してきました。

どちらの科目も宅建業法と同じように法律で定められている内容を暗記することが重要になってきます。

しかし専門用語が頻出したり、日常的に馴染みのない内容だったり、取っつきにくい問題が出題されるため、慣れるまで苦労することでしょう。

ただし、深い知識が要求されるような問題は少ないため、慣れてしまえば得点源になる科目です。

問題集や過去問を何度も解いて、アウトプット中心の勉強をしていけば、着実に力はついていきます。

さらにまとめノートを作成したり、単語帳アプリを利用したり、自分なりに覚える工夫をしていけば、より正確に覚えていくことができるでしょう。