宅建の試験科目「宅建業法」とは


宅建業法は宅建試験において、最初に出題される科目です。

基本的な内容を問うものがほとんどで、暗記していれば正解が出せる問題が多いので、試験における得点源とされています。

宅建試験で出題される4科目の中でもっとも難易度の低い科目のため、合格を目指すのなら、満点を狙うぐらいの気持ちで勉強する必要があるでしょう。

しかし、中には引っ掛け問題や、細かい知識を問う問題も出てくるため、正確に覚えることが重要です。

また、取りこぼしが許されない科目なので、苦手な分野を作らないように注意しなければなりません。

本記事で宅建業法の概要や出題傾向、勉強のポイントについて解説しますので、ぜひ参考にしてください。

宅建業法とは

宅建業法とは「宅地建物取引業法」という法律に関する知識を問う科目です。

宅建業者は不動産という高額な商品の取引を專門とするため、十分な知識を持っていなければなりません。

たとえば宅建業者が相場とかけ離れた法外な金額で不動産の売買を行おうとても、購入者が知識のない人だと、それが適正価格なのかどうか判断ができません。

そのため、何かしらの規制を設けなければ、売り手側が有利になりやすく、公平な取引が行われない懸念がありました。

そこで、1952年に宅地・建物の取引を規制するために制定されたのが、宅建業法です。

宅建業法では、宅地や建物の取引の公正さを確保し、宅地や建物の流通の円滑化を図るため、宅建業者の免許制度などの規制を整えています。

そして、もっとも重要な目的は「購入者の利益保護」という点を覚えておくようにしてください。

試験の出題数や近年の出題傾向など

宅建業法の出題数や近年の出題傾向などについて、具体的に解説していきます。

宅建の勉強を始める多くの人が最初に取り掛かる科目なので、宅建とはどんな試験なのか、全体のイメージを同時につかむことも大切です。

不動産業界を経験していない人にとっては、聞き慣れない専門用語などが頻出するため、最初のうちは取っ付きにくいと感じるかもしれませんが、繰り返しテキストを読んだり、問題を解いたりして、徐々に慣れていくようにしましょう。

出題数と目指すべき得点

宅建業法の出題数は20問です。

宅建試験の問題数は50問なので、全体の4割がこの科目から出題されることになります。

割合から見ても、ボリュームの多い科目であることがわかるでしょう。

合格を目指す場合、20問中18問程度は正解するべき科目であり、できれば全問正解することが望ましいです。

なぜなら宅建業法は他の科目と比較して簡単な問題が多いため、宅建業法で得点を稼いでおかないと、他の問題で挽回するのが難しくなってしまうからです。

もし宅建業法で満点が取れれば、他の30問の正答率が五割程度だったとしても、合計で35点取ることが可能です。

近年は合格点も上がっていますので、もう2~3点取らないと合格の域には達しませんが、かなり合格に近づけるようになります。

近年の出題傾向と対策

宅建業法では、特定の分野が多く出されるということはなく、出題範囲からまんべんなく出題されます。

そのため、苦手分野を作らないことが重要です。

近年の特徴として、法改正によって利用が可能になったIT重説に関する問題が多数出題される傾向があります。

IT重説は、2018年では賃借のみ利用可能でしたが、2021年より売買も可能となっていますので、間違えないように注意してください。

勉強するにあたってのポイント

次に宅建業法を勉強するにあたってのポイントを解説します。

暗記問題の多い宅建業法ですが、ただ機械的に暗記しようと思っても、すぐに忘れてしまいます。

一度覚えたと思っても安心せず、何度も問題を解いていき、記憶に定着させる必要があります。

まずはテキストを読み込む

暗記する項目が多い宅建業法ですが、まずはテキストをしっかり読み込み、全体像をつかむことから始めましょう。

宅建業法において、特に重要なのは以下の4つの項目です。

  • 重要事項説明書(35条書面)
  • 37条書面」
  • 自ら売主制限(8種規制)
  • 免許」

特に難しいとされているのが、35条と37条の問題です。

両方に共通している内容と、どちらかだけに適用する内容との違いがわかりにくく、混乱しがちです。

また、売買の場合、賃貸の場合で内容が異なり、37条書面ではこれに加え、定めがある場合とない場合で内容が異なります。

しかし、確実に出題される分野なので、覚えられないからといって避けないようにしてください。

8種制限や免許に関する問題も、内容が細かいのですが、試験では引っ掛け問題も出されるため、正確に覚えることが重要です。

テキストだけ読むと、覚える内容が多すぎて何から手をつければ良いのか、わからなくなるかもしれませんので、過去問や問題集を解きながら、どういった形で出題されるのか、大体のイメージをつかんでから勉強するのも良いでしょう。

暗記すべきところは暗記する

ここまで何度か述べてきたように、暗記問題が多いのが、宅建業法の特徴です。

権利関係などの問題は、暗記だけでは対応できず、応用力が問われる問題も多いのですが、宅建業法の場合、覚えてさえいれば解答できてしまう問題がほとんどです。

一方で覚えていなければ、どんなに考えたところで答えは導き出せませんので、暗記するものは暗記すると割り切っていきましょう。

また、覚えにくい事項は語呂合わせを使って覚えたり、単語帳などを使用したりするのがおすすめです。

後述しますが、テキストをじっくり読んで理解力を深めるよりも、問題集や過去問をたくさん解くアウトプット中心の勉強法がおすすめです。

おすすめの勉強方法

宅建業法を攻略するうえで、おすすめの勉強方法を解説します。

暗記する内容が多い科目なので、インプットよりアウトプットを優先して行うのがおすすめです。

テキストだけ読んで覚えた気になっていたり、問題集だけ解いて理解したつもりになっていたり、どちらか一方に偏ることのないように注意しましょう。

過去問で対策する

過去問による学習は、すべての科目において大切ですが、宅建業法は特に重要です。

5年分ほど過去問を行えば、大体の出題パターンが理解できるようになり、毎年必ず出題される分野も理解できるようになります。

過去問で一度問われた知識が、数年に渡って繰り返し出題されていますので、過去問を中心に勉強して、得点源にしていきましょう。

過去問を解く際に注意しなければならない点としては、解答を丸暗記してしまわないようにすることです。

確かに宅建業法は暗記科目ですが、解答の番号や文章を機械的に覚えるだけでは、何の実力にもなりません。

この問いに対して、なぜこの答えになるのかを、自分なりにしっかりと理解して、問われ方が変わったとしても対応できる力を身につけるように意識してください。

試験対策アプリを利用する

最近はスマホで利用可能な資格試験対策用のアプリがたくさん提供されています。

宅建は人気のある資格なので、試験対策用のアプリはかなり充実しており、無料のものでも十分なボリュームがあります。

過去問対策用、一問一答など問題形式のアプリが多く、暗記問題の対策には最適で、こうしたアプリを上手に活用すれば、効率的な勉強ができるでしょう。

スマホアプリを活用する最大のメリットは、通勤電車や移動時間など、隙間時間でも使える点です。

特に宅建業法は暗記問題が多いので、アプリによる学習と相性が良いです。

その他の科目などは、応用力が必要になる問題も多いので、紙にメモを取ったりしながら進めないと解きづらいのですが、暗記問題の多い宅建業法であればスマホによる学習も簡単です。

ただし、宅建試験対策用のアプリは種類がとても多いので、自分に合うものは何か、よく考えて使うようにしてください。

テキストもそうですが、あまりたくさんのアプリを入れてしまうと、結局中途半端な使い方になってしまうケースが多いので、自分が使いやすいアプリ一つを集中的に利用することをおすすめします。

まとめノートを作る

テキストを読みつつ、自分なりのまとめノートを作成するのもおすすめです。

ただテキストも読んでいるだけだと、内容が頭に入ってこないケースが多いのですが、実際に手を動かしてノートに書き込んでいくことで、記憶に定着しやすくなります。

また、自分にとってわかりやすいまとめ方をすることによって、後で内容を見返す際も、効率的な復習ができるでしょう。

ただし、まとめノートを作成する場合、テキストの丸写しはしないように気をつけてください。

テキストの丸写しは書くことによって記憶に定着させる効果はあるかもしれませんが、内容がテキストとまったく変わらなければ、後で読み返すことはないでしょう。

網羅的ではなく、あくまで要点のみがまとめるつもりで取り掛かるようにしてください。

また、すべての範囲ではなく、苦手な分野のみをまとめる方法もおすすめです。

まとめ

以上、宅建業法の概要や出題傾向、勉強のポイントを解説してきました。

試験科目の中ではもっとも難易度の低い科目ですが、その分、他の受験者の正答率も高くなります。

一方、権利関係など他の科目については、問題の難易度が高いため、正答率は低いのですが、当然、難問を解く実力をつけるには多くの勉強時間が必要となります。

宅建試験の場合、難しい問題も易しい問題も、1問あたりの点数は1点で固定されていますので、時間対効果を考えれば、難易度も低い宅建業法を集中的に勉強して、確実に点数を取れるようにするのが望ましいです。

ただし、近年の宅建業法の問題では、引っ掛け問題や非常に細かい知識を問う問題も増えているため、細いところまで正確に理解していなければ、対応できない問題も出てくるでしょう。

そのため、繰り返し過去問や問題集を問いたり、参考書を何度も読み返したりして、正確に暗記する努力をしていく必要があります。

本記事が宅建試験合格を目指す方の一助になれば幸いです。